SPLからAPI500モジュールシリーズが登場!これまでSPLはRack Packという独自のモジュラーシステムを持っていましたが、よりグローバルに他メーカーとの組み合わせも可能なAPI500モジュールに歩み寄りました。
伝統の『Transient Designer』と『Dual band De-Esser』は求めていたエンジニアも多かったのでは。さらにマスタリング機器もクリエイトするSPLならではのオーディオ技術が映える高機能な『Headphone Monitoring』も登場。SPLらしさが溢れたラインナップであなたのレコーディングを成功へと導きます!
Model 1502 TDx
Transient Designer 500 Series module
単体の製品でも好評を頂いているトランジェントデザイナーがTDxとして500シリーズ対応のモジュールになりました。 トランジェントデザイナーのコントロールは非常にシンプルです。 Attacksは音の立ち上がりを劇的に早く、あるいは遅くし、Sustainは音のサスティン部分を極端に短くしたり 長く伸ばしたりする事が出来ます。設定によって様々な音作りが可能になります。
Technologies
トランジェントデザイナーの中心となるテクノロジーはSPLが開発したDifferntial Envelope Technology(DET)で、内部で生成したエンベロープとの差を計算する事で入力信号のレベルとは独立したダイナミクス処理を 行います。このエンベロープは常にオリジナルの信号のカーブをトラッキングし、音楽に対し常に最適な結果を提供します。このため、1CHにつきわずか2つのコントロールにより音のアタックとリリースを劇的に変化させる事が可能となります。
MIX
TDxだけの新しい機能としてMIX(パラレルMIX)機能があります。 処理された音とノーマル音を自由にブレンドする事が出来ます。 このMIX機能はAttack、Sustainに次ぐTDxの3番目のコントロールパラメータとなり、 より一層バラエティに富んだ音作りを進める事が出来ます。
Applications
トランジェントデザイナーはプロフェッショナルレコーディング、プロジェクト/ホームスタジオ、SR等 様々なアプリケーションで活用頂けます。 単一の楽器、あるいはループ音を接続する事で、全く新しい音、あるいはエフェクト音を造り出す事が出来ます。
Drums & Percussions
ドラムやパーカッションサウンドはトランジェントデザイナーに最も適しています。 例えば、Attackパラメータを上げれば、キックやループに、よりパワー感を出す事が出来ます。
Drums Ambience
もしドラムのルームマイクの音が靴箱の中のような狭い空間の音になってしまった場合に、 ルームマイクをトランジェントデザイナーに通し、Attackパラメータを若干下げて初期音を改善しながら 少しずつSustainパラメータを上げて行きます。この事により、”全てのボタンを押した1176″サウンドのように最適なルームキャラクタを得ながらもシンバルが息をつくような音になる事を避ける事が出来ます。
Bass: Staccato vs. Legato
もし、ベースのトラックがあまりにもパワー感の無い演奏になってしまった場合にトランジェントデザイナーを 使用し、Sustainパラメータを下げて音の立ち下がりを切って行く事で音のつぶ立ちがはっきりとして、レガート な演奏が最適なスタッカートに代わり、リズムセクションをより前に押し出す事が出来ます。
主な特徴
- オリジナルのトランジェントデザイナーの回路をさらに改良
- 新しいパラレルMIXコントロールによりWet/Dryをミックス可能
- ATTACK:アタックを劇的に遅くしたり早くしたり出来る
- SUSTAIN:サスティンを劇的に遅くしたり早くしたり出来る
- ディファレンシャルエンベロープテクノロジー採用(DET)
- 出力レベルコントロール
- ON/バイパススイッチ
- シグナルLED搭載
- 500シリーズシングルマウント対応
Model 1503 DeS
Dual band 500 Series De-Esser
1990年代にSPLは位相キャンセリングをベースにしたシビランス除去処理の手法を開発しました。 従来の方法と違い、このプロセッシングは目立たず、簡単に1つのパラメーターをコントロールする事で実現出来るユニークなものでした。この技術を採用して発表されたのが”SPL De-Esser”と呼ばれる製品で、レコーディングスタジオを始め、放送局、ライブサウンドエンジニアの間で標準機として採用されるようになりました。
デュアルバンドディエッサーは異なる2種類の周波数帯をそれぞれ独立して、あるいは組み合わせて効果を得ます。 2個のディエッサーのステージを持つ事で、音への色付けをせずに精度の良い効果を得る事が出来ます。 HighバンドとLowバンドにそれぞれフォーカスする事で、シビラント音を非常に正確に捉える事が出来ます。 さらに入力信号は音源とマイクロフォン間の距離に関わらず常に最適な処理を行えるように自動的に調整されます。
Male/FemaleモードはLOWバンド処理セクションにあり、男性の声を処理するのか、女性の声を処理するのかで切り換えて使用します。
このデュアルバンドディエッサーが新たに500シリーズ対応のモジュールとなりました。
High Band and Low Band De-Essing
2系統のプロセスステージは独立して、あるいは組み合わせて使用する事が出来ます。 Lowバンドディエッサー(LO-S)が最初に接続されます。もし、両方のディエッサーをONにした場合には 相互に影響が出ます。LOWバンドディエッサーを通した音は未処理の音とは違う音がHighバンドディエッサーへ 送られる事にご注意下さい。
Application
Voice (Male/Female)
Male/FemaleスイッチはLOWバンドディエッサーセクションにあり、男性/女性の声によって 効果を切り換えます。ただし、全ての男性/女性についてこのスイッチが適用出来る訳では有りません。 声によって効果を何度か試してみる必要があるかも知れません。 このスイッチはLOWバンドのディエッサーの補助的なツールとして有効です。
主な特徴
- 位相キャンセレーションによるシビランスリダクション
- 効果的で目立たないキャンセレーション
- Hi-S、Lo-Sという2つの周波数帯域を設定
- たった2つのコントロールノブで素早く簡単な作業
- ディエッサー効果の深さを示すインテンシティLED搭載
- 男性/女性のボイス選択
- ON/バイパススイッチ搭載
- シグナルLED
- 500シリーズシングルマウント対応
Model 1504 HPm
Headphone Monitoring Amplifier 500 Series module
SPL Phonitor Matrixと同等の機能を搭載。定番ヘッドホンアンプの品質を500モジュールで実現!
- 個別に調整可能な2系統のヘッドホン出力
- Phonitor Matrix機能はヘッドホン特有の極度のステレオ感を無くしまるでスピーカーで聴いているような聴感を提供
- CrossfeedとSpeaker Angleを個別に調整可能、これによってヘッドホンをお持ちのスピーカーのようなサウンドに近づけられます。
- Center Levelでヘッドホンミキシング時のセンターの信号を適切に調節します。
- 左右チャンネルの位相反転スイッチとStereo/Mono/Mute スイッチ
- デュアルスロットの500シリーズラックモジュール