みなさん、こんにちはPD安田です。この度、動画作成に力を入れるにあたり”効果音”の分野に注目をしてみました。やはり効果音の世界とはバンドをやって来た分野としては、少々異なるようで、「音素材を作る」「映像に合わせてアイデアを盛り込む」そして「インパクトを与える」というところでは、音楽と共通する部分もあるのですが、実際に、CMの音効制作を携わっている方に、作ってみた動画素材に音を作って頂きました。実際に楽曲が始まる前の、いわゆるアルバムイメージなど、PD安田自身としては音効の部分は”作品として”最も重要な部分だと思ってるので、是非参考にしていただければと思います。
そして今回音効に携わっていただいた方のご紹介で、しかも各音源について使い勝手と、コメントを担当しているのは、TVCM制作、効果音制作で最前線の活躍をしているFUMIO YASUE氏にお願いをさせて頂きました。実際に使用した音源の設定から、音色まで合わせてご紹介をしていきます!
それでは動画をどうぞ!
「UVI Meteorでメインの音を作成!」
FUMIO氏:
今回の映像でメインで多用したのはUVI Meteorです。 主にアンビエンス演出としてDrone ※1の音のレイヤー、Whoosh ※2 音、またインパクト音で使用しています。 ドローンのレイヤーではTensionとVoices、また1138のプリセットを使用しています。(話によると7レイヤーぐらいに重ねて使用しているとか)
ただしかし、そのままでは尺が足りないのと”上昇感”が足りなかったので、そこは補助役として「Komplete Control S25」MIDIのノートの長さも兼ねて打ち込み、構築しております。
PD安田:
動画をみて頂ければ分かりますが、部屋から入ってくるところから後半のインパクトサウンドはまさにUVIのMeteorが使われております。上記の画像の「Meteor Tension」「Meteor Voice」と、後に紹介する「NI Thrill」「NI Polyplex」は動画の12秒22frにて使用しています!
さらに「Meteor 1138」の音色は38秒04frにて登場してきますので、是非ご参考ください
FUMIO氏:
UVI Meteorはインパクト音からシンセ、シネマティックなど複数の種類のプリセットがあり、 ひとつでできることが幅広いので、サウンドデザイン音源ソフトとしては非常に使いやすいです。
また、ユニークなポイントで”音階”がついているので、音楽的なアプローチも可能かと思います。シンプルなインターフェースですが多種多様な可能性があるのではないでしょうか。
PD安田:
ここで基本的なFUMIO氏の使い方ですが、UVIはPro Tools上でプラグインとしてインサートをし、MIDIを打ち込むのでは無く、一旦オーディオに書き出しを行い「素材」として切り貼り、そしてPro Toolsの「Audio Suite」を使用して加工をしているとのことです。
※1 ドローン(英: drone)とは、単音で変化の無い長い音を指す音楽用語 :wiki参照
※2 Whooshとはヒューという音のこと
そんなFUMIO氏から秘蔵のPro Tools作業画面も頂きましたので、参考になるかわかりませんが、是非合わせて確認頂ければと思います!
NI Thrill&NI Polyplexでバックのサブ役を担う!
Droneがメインに加えてNIの「Thrill(現時点で個別Addライセンスにて購入)」と「Polyplex(KOMPLEYE 11通常盤以上から収録)」にもお手伝いしてもらいました。この2つの音源はどちらもKONTAKTベースにて立ち上がります。
FUMIO氏:
Thrillはその特色通り、徐々に駆け上がっていく演出に一役買ってもらっており、特に緊張感のある音(動画にスローモーション要素が多かったので)を作りたかったので、ピッタリハマってくれたと思っています。そしてPolyplexには右左と定位を持たせず遊んでもらい、ドラム音源主体ではあるのですが、面白いFX音源も多いのでちょこちょこ引っ張り出して、重ねての要員として非常に有効的に活用できます。特に今回は不可思議な音が必要だったので手に取りやすかったと思います。
PD安田:
ちなみに、今回の動画はiPhoneのスロー撮影をメインにして録りましたが、Adobe Premiere Proで倍速などのコントロールをしています。Premiere Proは書き出しの動画フォーマットもカスタマイズが可能で、After Effectと併用すれば、オープニングと最後のMANLEYのノイズのようなエフェクトを簡単に作ることができます。是非是非ご参考ください。
雰囲気を左右するのに重要な要素それは”Reverb!”
Reverbスローモーションで展開される映像というのもあり、超演出としてリバーブを深めに使っているとのことですが、確かに”空間を演出する”という部分では音楽も音効も共通部分ではあります。そこで今回の動画のように足音には「Avid Reverb One」をメインに使用しています。なおReverb OneはTire 2 で個別に購入するか、あるいはUltimateの方は標準となっております。
このReverb Oneでは自然なリバーブ感を出すというよりは、”不自然な”ほどにリバーブを足して存在感を足したい時から、思いっきり音を飛ばしたいときに多用しており、FUMIO氏もメインで使用しています。また、高音が主張する音には特に”Waves Abbey Road Plate”を使用しており、今回はPolyplexのサウンドには深くかけて残響感も含め、雰囲気のサブ?メインの助ける役割として担っています。Waves Abbey Road Plateは金属的な音や高音が主張する音をリッチにさせたいとき、またReverb Oneでの演出の際に感触が違うなと思った時は出番の多いリバーブとなっております。