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SUPERBOOTH18 総集編

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こんにちは!ACID渋谷です。世界中のシンセフリークやデベロッパーが一堂に会した熱狂のSUPERBOOTH18から帰国し、寒さに震えながら時差ボケる頭をフル回転させてこの文章を書いています。

多くのレポート記事やSNSで現地の熱狂をお届けしたRock oN Show Repotでしたが、未公開の画像など含めて熱気が冷めない内にこのシンセの祭典をプレイバックしたいと思いますので、是非もうしばらくお付き合いください!

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まず今回の会場も前回と同じくベルリン中心部から少し離れた所にあるFEZ BERLIN。緑溢れる森の中にあり、私は勝手に「シンセの森」と呼んでいます。

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SUPERBOOTH18は参加メーカーが総勢約240、イベントが3日間で述べ140くらい開かれるという、シンセ中心の展示会としては他に類を見ない大規模な展示会です。モジュラーシンセのイメージが強いですが、それ以外にもソフトウェアシンセやモニタースピーカー、ミキサーなども続々と増えて来ました。また、著名アーティストやシンセビルダーによるライブやデモンストレーションが多いのもこのSUPERBOOTHの大きな魅力。3日間72時間音が鳴っていない瞬間は一度もありません。

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攻めたもん勝ち!?白熱するアナログシンセバトル

Dave Smith Instruments

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では振り返り行ってみましょう!先ずはDave Smith Instruments Prophet-X。直前情報でいきなり出現したこのシンセ。サンプル読み込み/演奏が可能な、オールインワンシンセ的な側面を強めた作家さんに是非オススメしたい内容でした。

伝統のVCFのチップも今回新しくなっていましたが、大味なDave Smith印のサウンドは健在。ストリングスやピアノ系のサウンドをVCFに通すのはなかなか面白かったです。ただ惜しむらくは度肝を抜かれるような新しいシンセサイズ方式を取り入れたりという事がなかった点です。

Prophet-X
発売時期は2018年の6月。約4,000USドル!

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Behringer

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そしてそのDSI Prophet-Xを凌ぎ、ある意味最大とも言える注目を集めていたのがBehringerブース。ODYSSEY、TR-808、PRO-ONE、MODEL-D、VP-330などのインスパイアのアナログマシンが一斉に展示されていました。

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いくつか触ってみましたが、割と強めにチューニングされた感じのアナログサウンドでなおかつオリジナルにはないエフェクトなどの+αがあり、完成版が楽しみになってしまいました。最終日にはSH-101ならぬMS-101まで登場し、さらに盛り上がっていました。Behringerがすでにシンセメーカーとして評価を確立している事をひしひしと感じさせる熱狂っぷりでした。

IK MULTIMEDIA

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さらに大手メーカーのアナログハードシンセが続きます。IK MULTIMEDIAとSoundmachinesのコラボレーションにより生まれた超軽量・電池駆動のアナログシンセUNO SYNTHも今回のトピックと言えるでしょう。IK MULTIMEDIAはカリスマErik Norlander氏を中心にSYNTRONIKなどの革新的なシンセ音源をリリースして来ましたが、今回は遂にハードウェアが登場。中身のアナログ回路はユニークなモジュールを数多くリリースするSoundmachineが担当。一聴した瞬間に「あ、もろアナログだ」というサウンドでした。また簡単に誰でも操作できるようにインターフェースやパラメータも練られており、例えばフィルターENVはADタイプ、アンプENVはARタイプと、簡略化にも相当神経を使ったんだなと感じさせる作りです。(MIDI CC上ではどちらもADSRで操作できます。)

Analogue Solutions

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正統派アナログメーカーも負けてはいません!私も大ファンなAnalogue SolutionsのFUZEBOXは同社のこれまでの極太アナログVCOとOberheim的なステイトバリアブルフィルターの合わせ技から、さらに一歩フレーズ作りの機能まで踏み込んだ意欲作。簡易ステップシーケンサーのゲート情報を二つのツマミで動かすスタイルはなかなかに斬新で、ミニマルには持ってこいの機能でした。デカいですけどね!

Black Corporation

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そして話題騒然の東京発、アナログポリフォニックシンセブランドBlack Corporationは伝説のレアシンセPoly KobolインスパイアのKIJIMIを初公開。ウェービシェーピングもできるアナログ8voiceシンセとしてこちらもDeckard’s Dream同様MPEプロトコルに対応し入り組んだコントロールができる。パーツの情報も教えてもらいましたが、オシレーターがCEM3340、フィルターはディスクリートでSSM2040のクローンが使われているとのことでした。まだプロトタイプだったのでモジュレーションがうまくかからない部分が多々ありましたが、KIJIMIの持つ広大なモジュレーションマトリックスと5Dコントロールの合わせ技は、かなり表現力が高くなるでしょうね。

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外でも色々やってるよ!

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ここでちょっと一休み。FEZ BERLINの外にはフードコーナーがあり皆昼からバンバンビールを飲んでいます。私も何本飲んだことか(笑)建物内は電波状況がすこぶる悪いので、外でWi-Fiを探しながらホットドッグを食べていると、突然Traktorを積んだスピーカー戦車のような乗り物が出てくる一幕も。昨年の料理の音をモジュレーションして爆音で流すインスタレーション然り、SUPERBOOTH自体が持つ遊び心やDIY精神が滲み出ています。

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Wの競演。変幻自在のハーモニクスを操る Wavetable & Waveshaper

XAOC

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豊かな倍音も今回のSUPERBOOTH取材で多く目に(耳に)しました。まずはXAOC DEVICES。複雑なSHAPE(波形)を4CH分使える変わり種のエンベロープジェネレーターZADARはそのままモーフィング可能なウェーブテーブルオシレーターとしても使えました。これは逆に考えると普通のウェーブテーブルオシレーターを極限までピッチを落としてコントロール信号として使うとユニークな結果が得られるんだなぁ〜と思い、家で試したくなりました。またサイン派の合成で複雑な倍音を作り出すODESSAも強烈でしたよ!

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Industrial Music Electronics

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そしてこちらは大人気のウェーブテーブルオシレーターIndustrial Music ElectronicsのPISTON HONDA MK3。XYZの三軸でコントロールするモーフィングサウンドは他に代え難い非常にインダストリアルなサウンド。今回新しくなったデュアルオシレーター、そしてプリセットごとにモーフィングできる機能によって、またまた大ヒットの予感です。

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PERCUSSA SSP

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さらにウェーブテーブルは続き、こちらはPERCUSSA SP。DSPプロセッサー(Quad core Cortex A17 @1.8GHz ARM DSP power with 2GB RAM)と192kHz/32bitを実現したハイエンドADC/DACコンバータを搭載した、モジュールとしては非常に高スペックで珍しいマシン。これのウェーブテーブルサウンドは透明感が抜群で、DAの良さをわかり易く感じさせてくれるものでした。そしてSSPはコンセプトや将来のヴィジョンも非常に面白く、本体内にモジュールと呼ばれるブロックを持っており、それらを内部で組み合わせて使うのですが、いずれSDKフォーマットで作成されてサードパーティ製のプラグインを、SSPのモジュールとして読み込めるようにすると言っていました。

Pittsburgh Modular

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続いてはPittsburgh ModularのPrimary Oscillator。独特のウェーブシェーピングによる硬くなりすぎないギャンギャン系のサウンドがかなり好みでした。オーナーのRichard Nicol氏の動画でそのサウンドをご確認ください。

会場を揺るがすコンプレックスリズムサウンド!!

Erica Synths

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今回のSUPERBOOTHはリズム系も豊作でしたね。インダストリアルなルックスと909スタイルのサウンドで耳目を惹きつけたErica Synths Drum System。特にその中心となるDrum Sequencerはリズム用の16のトリガーアウトに加え、ベースライン用のCV/Gateを備えているところがポイント!全てモジュールで揃えるとかなり高額になるのでなんとも贅沢ですが、リズムマシン一個買えばいいじゃんなんて言わないでくださいね(笑)。

Endorphin.es

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そしてこちらは我らがEndorphin.esの待望の新製品BLK_Noir。ノワール、そうテーマは黒です。金色のShuttle Systemとは真反対のカラーリングで登場したこのBlk_NoirはなんとRoland CR-78のサウンドを現代のクラブミュージックで使えるようにチューニングしたアナログサウンド。デジタルノイズとのレイヤーでサウンドに幅と存在感を出せる点がナイスでした。Moritz氏のキャラも相まって爆音のデモンストレーションはかなり面白かったです。発売したらすぐに仕入れるのでご期待ください!

Soundmachines

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さらにSoundmachinesもリズムマシン DS1drumstationを発表。ストリップ部分を指でなぞってゲート情報を入れらるのがユニーク。TRタイプの打ち込みに飽きた肩にオススメです。そしてさらに曲作りにも飽きてしまったら内蔵のピンポンゲームで遊びましょう!飽きっぽいあなたにぴったりのリズムマシンです。ピンポンに飽きたらまた曲を作ってみましょう!

Fingersonic

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イタリアのFingersonic社は本気のグルーブマシンを展示。実は一番驚いたのはここの製品かもしれません。EXP-1はこのサイズでアナログベースシンセ(モロ303)、3voiceアナログシンセ、そして10音色のドラムマシンを搭載し、それぞれフルスペック機並みのエディット可能。さらにUSB/midi/cvコンバータやディストーションやディレイなどエフェクト付き。いや〜驚きました。これ一台で一曲本当に作れちゃいますね。新製品のFMマシンよりも個人的にはこちらの方がテンションが上がりましたね。

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モーションコントロールで新たな音の地平へ

Genki Instruments

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コントローラも面白いものがありましたね〜。その筆頭がGenki Instrumentsの指輪型ウェアラブルコントローラーWAVEとWAVEの情報をBlutoothで受診してCVに変換するインターフェースWAVEFRONTです。CV 5系統ででいるのが単なる見掛け倒しではないWAVEの実力を感じさせます。

アイスランドの若きクリエイターたちが立ち上げたgenki instruments。genkiは文字どおり日本語の元気という意味で、なぜ日本語かと言うと、代表のOlafur Bjarki Bogasonさんは以前、日本に交換留学生で来たことがあるんだとか。話が盛り上がりすぎて取材に使っていたメモ帳を彼らのブースにおき忘れてしまいましたが、ちゃんと保管していてくれて助かりました。ぜひWAVEをプロポーズ用の婚約指輪に選んでみては!指に嵌めた瞬間、パンパカパーンとファンファーレが鳴るようにしておけば、感動もひとしおでしょう。

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と言うことで駆け足で振り返ってみたSUPERBOOTH18。いかがでしたでしょうか?全ての取材内容は下のリンクから見れますので、ぜひご確認ください。ではまた!

Writer. Shibuya
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