ベルギーに拠点を置くシンセサイザーのメーカーModor (モドー) が、DSP技術を駆使したデジタル・8ボイスシンセサイザーNF-1を発表しました。
NF-1はデジタル・シンセのサウンドを愛し、無限の可能性を信じ、追求し続ける開発者の想いにより生まれた最先端のデジタル・シンセサイザーです。
デジタル・シンセには「エディットが難しくて面倒」というイメージにあるかもしれませんが、NF-1の構成とオペレーションはクラシックなバーチャル・アナログ・シンセそのもので、一度でも触った事があればオペレーションに迷うことはありません!
外観や操作感は往年のバーチャルアナログシンセそのものですが、Modor独自開発によるノイジー・オシレーターやハードウェアシンセでは珍しいフォルマントをコントロールして人の声の様なサウンド生み出すバウエル・フィルターなどのユニークな機能を搭載しています。
独自に開発したノイズ・オシレーター、人の声の様な効果のバウエル・フィルターやサウンドを激変させるコム・フィルターなどが音作りを強力にサポート、そのサウンドは古典的なアナログ・エミュレーション、1980~1990年代のFM音源や加算合成に代表されるデジタルサウンドといった具合に非常にバリエーション豊かです。
またNF-1と全く同じパラメーターとサウンドを持つモバイル版NF-1mも同時発売しました。こちらはコストパフォーマンスに優れた製品です!
10種類のタイプから選択できるオシレーターを3基搭載!
無数のサウンド・バリエーションを生み出すパワフルなノイジー・オシレーター
シンセサイザーのサウンドを特徴づける上で一番重要なのがオシレーターです。NF-1は10種類のタイプから選択できるオシレーターを3基搭載し、同時に使用する事ができます。これら10種類以外にもホワイト・ノイズと、オシレーター2と3によるリングモジュレーションが可能です。
搭載している10波形
SAW:パルス幅変調ノコギリ波
SQU:パルス幅変調パルス波
TRI:パルス幅変調三角波
SYNC:オシレーター・シンク
ADD:アディティブ・ハーモニクス
SONAR:レゾナント・バンドパス・フィルター・ノイズ
WIND:管楽器のノイズ
ARC:アーケードゲーム風のノイズ
FM:サイン波 FM ペア
FBFM:フィードバック・サイン波 FM ペア
3種類のクラシック波形とシンク・オシレーター!
革新的なデジタル・シンセを設計する上でも絶対に欠かす事ができないのがクラシック波形であるノコギリ波、矩形波/パルス波、そして三角波です。
NF-1のクラシック波形はいずれもPWMが可能で、これにより新たなバリエーションを生み出します。シンク・オシレーターは1基のオシレーターで、オシレーター・シンクのサウンドを生み出します。
3種類のユニークなノイズ波形!
本物の楽器の音色を特徴づけている重要な要素として「ノイズ」がありますが、ホワイトノイズやピンクノイズといった単純なノイズを加えただけでは十分ではありません。NF-1はそのサウンドの重要な要素である3種類のノイズ波形を使用する事ができます。これらは他のオシレーターとミックスするとサウンドにきらびやかな明るいキャラクターを与えます。
ソナー・ノイズ
潜水艦などに搭載している探知機のサウンドを再現しており、レゾナント・バンドパス・フィルターを通ったノイズです。
ウィンド・ノイズ
管楽器を吹く際に発生するノイズに似ており、ラダーフィルターでフィルタリングされたノイズです。
アーケード・ノイズ
80年代のアーケード・ゲームのサウンド・チップ、SIDやSN76489のノイズ作成アルゴリズムを再現しています。特徴的なデジタル・ノイズはパーカッション・サウンドやサウンド・エフェクトを作る際に最適です。
2種類のFM波形!
FM波形は古典的な2オペレーターです。FMシンセとしては非常にシンプルなキャリアとモジュレーターが接続されただけの2オペレーターの構成ですが、
オシレーターの後に続くフィルターなどとの組み合わせにより、FM シンセシスとバーチャル・アナログ・シンセシスの領域を拡大します。FM波形は通常の波形と、フィードバック付きの波形が用意されています。
FM波形はコントロールパネルに専用のFMキャリアー・ボタンと FMモジュレーター・ボタンが搭載されており、これらのボタンを使用して簡単にエディットできます。
革新的なアディティブ(加算合成)波形!
基本となるサイン波の倍数を加算し様々な倍音を生み出します。典型的なノコギリ波や矩形波から、奇数倍音のみを含むサウンド、異常な倍音構成のサウンドなど、非現実的なサウンドまで、デジタルならではのサウンドを生み出します。
タイプの違うフィルターを2種類搭載!同時使用も可能!
マルチモード・フィルターとモーフィング・フォルマント・フィルター
NF-1はクラシックなマルチモード・フィルターと、ハードウェア・シンセとしては珍しいフォルマント(バウエル)・フィルターと、同時に使用する事ができる2つのフィルターを搭載しています。LFO、エンベロープ、キーボード・トラッキングの3種類のモジュレーション・ソースがあらかじめ用意されています。
マルチモード・フィルター
ローパス、ハイパス、バンドパス、バンドストップ(ノッチ)の4モードから選択して使用できる、クラシックなレゾナント・マルチモード・フィルターです。使いやすい 12dB/Octの典型的なフィルターです。
モーフィング・フォルマント・フィルター
サウンドのフォルマント、または3つのピーク周波数を設定する事により、人間の声の母音の様なサウンドにします。フォルマント・コントロールを回すと「アーエーオー」というようにモーフィングし母音が変化します。ピーク周波数の組み合わせは10種類のプリセットに加え、ユーザーが自分の好きな組み合わせを設定する事もできます。
2種類のフィルターのルーティング
ルーティングを変更する事でフィルターそれぞれの役割を変え、バリエーションを生み出します。
シリアル(直列)接続ではオシレーターのサウンドはフォルマント・フィルターの後にマルチモード・フィルターへ送られます。
パラレル(並列)接続ではオシレーターのサウンドはそれぞれのフィルターで別々に処理された後にミックスされます。
その他の特徴
他にも下記のような特徴があります。
- 7つのバーチャル・ワイヤーによるパッチングが可能なモジュレーション・マトリックス搭載
- エフェクト・セクションにはモジュレート・コムフィルターとディレイが搭載
- コンピューターでNF-1とNF-1mをエディットできるソフトウェア・エディターを用意(Mac OS X、Linux、Windows対応)
- MIDIがコントロール可能
なおNF-1には木製のサイドパネルとラックマウント金具が付属します。
NF-1(日本代理店ページ)
http://fukusan.com/products/modor/nf1/