バーコードやQRコードをあらゆるものに埋め込む技術を持つDigimarc社(USA : Oregon)。この技術を利用した電子透かし技術でトップクラスの知名度を持つ同社が提案する透かし技術の一つがなんと “オーディオにバーコードを埋め込む”技術です。
デジタルオーディオデータの中にバーコード情報を潜り込ませることで、copyrightを守るための電子透かしを入れることができます。またこのバーコードを読み取る機能がスマホなどに実装すれば、街中で流れてくる音をサラリとキャプチャーして曲名やアーティストのHPに簡単にアクセスができます。このようなことをDigimarc社は想定しています。
copyrightがわかりやすい楽曲ならまだしも、環境音などは録音に膨大な手間を費やす割に一旦無断使用されると誰の録音物なのかもわからなくなってしまいます。これまで守りきれなかった「音」を守ることにも使える技術かもしれません。また動画の音声にもバーコードを挿入させることは可能です。日本の地上波デジタルTVは文字放送とインターネット接続を使って情報を発信していますが、Digimarcの技術があれば音声、そして動画にもバーコードの透かしを入れられるため、さらに手軽で効果的な広告効果もあるかもしれません。
Digimarc Discoverダウンロード (iTunes Store)
楽曲やそれを含む動画から仕込んだバーコード情報を読み込むスマホアプリが『Digimarc Discover Mobile App』(※iPhone & Android)です。実際に下のコーヒーのプロモーション動画に埋め込まれたバーコードをスキャンすることができます。無料アプリなので気になった方はぜひ試してみてください。
さらにニュース。本日(2016年2月5日)にAvid Japan内で開催されたミーティングイベントにて、Avidがこのdigimarc社とパートナーシップを結んだことが発表されたということです。Avid Everywhere の一環としてDigimarcの技術がどう影響を及ぼすのか。アーティストやエンジニアが世界中に直接自分たちのコンテンツを販売することのできる壮大な取り組みにDigimarc社の電子透かし技術が必要なことは考えるまでもありません。
オーディオへのバーコード挿入技術の普及、そしてAvidと生み出す未来。この2つの可能性に期待しましょう。