ここ数年のマイクロフォン動向として外せないのはマイクロフォンやマイクプリの銘機と呼ばれるビンテージ機器などを再現する先進機種の台頭でしょう。Slate Digital 、Townsend Labs、Antelopeと言ったブランドが放つプロデューサー人気の高いリマイクの世界に対し、一方ではNAMMでのNeumann67完全復刻など玄人エンジニアを唸らせるレジェンドの復活ニュースも見逃せません。
そしてリボンマイクの世界でも老舗AEAならではの新世代マイクから定番ROYERのコストパフォーマンスモデルなどなど市場人気と話題はこちらも負けてませんよ! 2018春の逸品をお見逃しなく!
BUYER’S GUIDE
既成概念が吹き飛びました! 最初は梅カテゴリ選出ですが梅と呼びたくないほどの性能を秘めています。まず驚いたポイントがココ!
・リボンの常識を覆すアクティブ式ハイゲイン、高感度
・コンデンサー同様に取り扱っても大丈夫な堅牢構造
従来からあるリボンマイクの構造的デメリットに全て蓋をしてしまう驚異の完成度。
続いてメリットがココ!
・繊細な空気感を映し出すビッグリボン譲りの妖艶なサウンド!
・吹かれに強いシールド内蔵式構造
しっかりリボンらしさを失ってない、にもかかわらず高域の補正をほとんど必要としない新世代リボンサウンド。
弦楽器の収録やJAZZ、POP系のボーカルであれば絶対に間違いのない1本。昨年公開のWEB試聴コンテンツでもエントリー編でダントツの高評価をおさめた本機。是非試聴&導入ください!
竹コースではLEWITTが誇るフラッグシップマイクLCT940。ルックスも所有欲をそそりますが、何よりサウンドの調整機能が秀逸。いわゆる特性を変えるマイクはありますが、収録ソースを見ていないキャラクター調整スイッチがほとんどに対して、LEWITTはFETとTUBEのサウンドをブレンドする機能により、ソースのエッジを立たせたいのか、芯を捉えたいのか、そのバランスをコントロールできます。
『なんとなくこのキャラクターが良いね』ではなく、収録ソースの『鳴り』に合わせたマイクキャラクター調整が秀逸。そしてLEWITTらしいトランジェント特性でソースのアタックも逃さず、後処理の余地もしっかりキープするバランスの良いサウンド。
後処理ありきのDAW全盛時代にオススメのマイクロフォンと言えますね。
まさにCEOであり開発者でもあるRoman氏の理念を体現したマイクですね。
NEUMANNと言えば67、87などにも代表されるように、多彩なソースで及第点を出してくれるサウンドが魅力ですが、M149Tubeはあらゆるソースで90点前後を叩き出してくれる究極の万能マイクといえるでしょう。
アコースティックギターによるバッキングに立てた際の弦1本1本の粒立ちは、同じマイクという収録機器なのかと思うほど繊細に、メインボーカルに立てた際のオケから浮き立つような芯の太さと存在感、価格も張りますが性能には文句のつけようがありません。
飛澤氏からも『どこに立てるかマイキングで音が作れる、87を買うお金があるなら頑張って149買った方が幅は圧倒的に広がる』と言わしめた1本。こちらも店頭展示中ですので実際にお店で体感も可能です! NEUMANN自体はNAMMでのU67復刻、U87生誕50周年のロジウムモデルなどなどここ数年のモニターを含めた精力的な動きも要注目!
クリアサウンドを狙う方はこれ。Universal Audio のAPOLLOシリーズを持っていて、マイクプリは種類がいくらか持っているという方にもオススメ!マイクでキャラクターをつけず、マイクプリでキャラクターをつける!いろいろなサウンドが得られてGOOD!!
またダンスミュージックでよく聞く、『加工したボーカル』を録りたいという方にもこのマイクがオススメ!素材は色付けなく録っていたほうが、加工しやすいですからね。
U87Ai欲しいんだけど、手が届かない!という方にはこれ!!
音の太さ、近さという部分ではやはりかなわないですが、サウンドのキャラクターは似ていて、とても万能なマイクだと思います!100Hz付近を持ち上げるとU87Aiにとても似てきますよ!RMEのインターフェース等の色付けのないマイクプリを搭載したものをお持ちの方にオススメです!
Amy Winehouseがアルバム『Back to Black』をレコーディングで使用したということで有名なSE2200aですが、その後継機種にあたるのがこのSE2200a IIです!オケに埋もれない力強いボーカルを録りたいという方にはピッタリのマイクです。高域がパリッと強く録れるので、声が太い方との相性がいいと思います。
こちらもキャンラクターのあるマイクなので、RMEのインターフェース等の色付けのないマイクプリを搭載したものと相性がいいかと思います!
主に集音用途で威力を発揮するマイクです。DPAといえば、その色付けのなさやクリアな音質で主にオーケストラの録音で使用される事の多いマイクメーカーです。特にカプセル自体の精度が高く、オプションとして商品のカプセルがDPA社の物に変更されるケースもあるほど。
4090はラベリア用の小型マイクが先端についており、その信号を増幅するプリアンプ部分を一体化した製品です。音質はそのまま録れる、と言ってもいいほどの立ち上がりも早く自然なマイクです。その反面素っ気なさもありますが、そこは演奏側の力量にかかっている、と思えるほど。
無指向の音楽用集音マイクで!と考えると、おそらくコレです。コストパフォーマンスも最良、隠れた逸品です。高感度の90と低感度の91ですが、1本持ってて損はないのは90のほうでしょう。
定番機のC414XLS。明るい音色とEQのしやすいフラットさを併せ持つマイクです。全体に高域が強めの印象のAKGですが、実際C414B~C414ULSに比べると現代的な音になっています。旧世代の物と違うのは指向性切り換えの多さとパッド、ローカットの豊富さ。感度も高く、それを補う事もできるので小音にも爆音にも対応できます。
こちらも持っていて損がないマイクであるとともに、リファレンスのマイクとして考える事もできる程、どのスタジオでも導入されているので、この音に対して別のマイクがどう違うか、その環境がどんな音なのかを判断する道具にもなります。自宅環境で使う場合の注意点としてはファンタム電源が48V出ているかどうか。バスパワー駆動のインターフェイス直だと、十分なパフォーマンスが発揮できない、というのがこのマイクの弱点でしょうか?
複数本立てた場合にもファンタムは基本パラでの供給なので、アンペア数が足らず音が出ない、という事もあります。シールド線が酸化していない、ファンタム電源も十分である、という条件値なら、このマイクの良さがわかるはずです。
言うまでもないかと思いますがSHUREの定番SM57。中はモールドされたトランスに配線がされていて、ボイスコイル部分に線直結、というシンプルな作りのマイクです。なので電気的な回路が少ない分壊れにくい、と言えます。(ただしボイスコイル部分のハンダ接点用の線は細いのでここが切れると音が出ません…) 単純に安くてクオリティが担保されている、初めての楽器用マイクならこれでしょう。
特性のコントロールもしやすく、何よりも扱いも適当でいいという点は忙しい現場では大きな利点です。また、本数が足りない場合に補う事もでき、ダイナミックマイクなので耐圧も十分。もちろんこれで歌を、というわけにはいきませんので、その場合はSM58をお選びください。中身は同じですがグリルとスポンジで歌用になっています。音に携わる以上避けて通れないマイクです。
