Universal AudioのUAD-2など高い再現性を持つプラグインが多いなか、それでも実機のアナログアウトボードはその個体差なども含めマジックを秘めています。そして特にマイクプリは代用できるものがなく実機として必ず必要になります。
そして如何にクリアにサウンドをI/Oへと届けるかによって、その後のDAW上でのプラグインを駆使したプロセッシングの余地が決まってきます。クリアなマイクロフォンであればその特徴は顕著に、そして真空管マイクが持つ濃密な中域、リボンマイクが捉える妖艶な空気感というように、『マイクプリでサウンドに色付けを行わない』マイクの特徴を生かしその後の処理のための最良の素材を作ることがマイクプリには求められています。
またコンプレッサーでもデジタルではやりにくいレベルコントロールがしやすかったりと多くの利点があります。さぁ今回はアウトボード編という事で、マイクプリやコンプレッサーを中心としたセレクトでお送り致します!
マスターコンプレッサーを導入することで得られるメリットは大きく二つあります!一つ目は、全体をなじませ統一感を得ること。二つ目は、デジタルミキシングでは難しい、レベルコントロールを行うことになります。
その中でも、全体をなじませる際の音質の質感が各プロダクトブランドごとのキャラクターとなりますが、Porticoの場合は、非常に現代的なクリアな傾向にありつつ、適度なサウンドキャラクターを好みに応じて演出できるという幅広い用途に適したコンプレッサーです。
この機種では、珍しい、FFとFBというスイッチ切り替えが組み込まれていますが、こちらはコンプレッサーの検出時の動作方法の切り替えができます。前読みか後読みかということになりますが、それによりコンプレッションの掛かり方に変化が起こります。
また、Porticoシリーズに見られるSilkスイッチによって、サウンドキャラクターを変えられる点もこの機種ならではの機能です。上記は割愛させていただきますが、一番お見せしたいのはSFE(ステレオフィールドエディター)の機能になります。M-S(ミッド-サイド)テクニックをベースにしたソース信号のステレオ空間の調整を行うプロセッサーで、音の広がり感、重心をコントロールすることができます。
DAW上で各トラックを調整するだけでは得られない統一感を持ちながら、様々なサウンドバリエーションをもつ本製品が今イチオシのマスターコンプレッサーです!
動画はこちら

DangerousMusic、メーカー名から想像すると非常に過激なエフェクトメーカーのような名前ですが、生み出す製品は非常にピュアでクリアなサウンドの製品が多く、名前が違う!といつも思ってしまいます。マスターコンプレッサーを通すことによって起こる音色変化を最大限抑えたい!という方に一押しの製品で、深くコンプレッションをしても全然元のソースの質感が崩れません。
こちらの機種の機能的な大きな特徴は、EXTERNAL SIDECHAINにあります。外部のEQアウトボードなどを接続することで、コンプレッション時に検出する信号をイコライジング調整できるんですね。
特に生楽器などでは、楽器によって特定のピーク音域を持っていたり、演奏する場所の響きによって特定の音域がピークする場合がありますが、その場合、一律にコンプレッションすると音楽的に良い結果にならない場合があります。
そういった際に、サイドチェインでその部分を抑えることでコンプレッションの反応をコントロールできるんです。これは2MIXでも同じことが言えます。Dangerousならではの機能ですね。
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UADプラグインでもリリースされているのでご存知の方も多いかもしれませんね。elysiaのフラッグシップモデルであるAlpha Compressorについては、非常にナチュラルでクリアなマスタリンググレードのコンプレッサーですが、こちらのmpressorコンプレッサーはサウンド調整というよりもサウンドメイクという方向性に向いたマスターコンプです。
わかりやすいパラメーターで言えば、ネガティブレシオ設定ができる点があります。
こちらの動画をご覧ください。
ネガティブレシオの影響でとてもグルーヴィーな演出ができていますよね。


コスト面から見ても最高のパフォーマンスをしてくれます!この価格でマイクプリを探そうとするのはなかなか難しく、『これならインターフェースのマイクプリでいいか』というレベルのものは多いかと思いますが、こいつは買って損はないものだと思います!とりあえず値段を抑えたい方はこれ!

人気のRupert Neve Designsの中で一番手頃なモデルがこれ!音楽レコーディング、MAスタジオのナレーション録りなど様々な現場で人気の高いRupert Neve Designsのマイクプリ。このメーカーといえばこれ!という『Silk』も搭載されています。
簡単に言うとこれを押すとヴィンテージモードON。シルキーなサウンドに変化します。『Mic GAIN』と『Trim』の調整でクリアにも録れるし、ガッツのあるFatな音でも取れます!2chなので、ソフト音源をアナログ通しするという使い方もGood!!

低価格ながら「おっ!」という音がします。面白いのが『AIR EQ』が搭載されている点。プラグインで時々見かけますよね。こちらのモデルでは30kHzの3dB UP、6dB UPという内容になっています。
可聴領域を超えた部分を持ち上げる形になりますが、空気感が大きく変わってきます。まさにAIR EQ!こちらも『GAIN』と『OUTPUT』の調整で様々なサウンドが得られます!
レコーディングや、マスタリングでアウトボードを使用し限りなくクオリティを落とさず取り込みたいという方に新たな選択肢です。限りなく透明なサウンドを実現しつつ、“X-FORMER INSERT”によるトランスのサウンド、“EMPHASIS”による力強さとなめらかなサチュレーションを加えることも可能です。新設計の詳細なメーター、“CLIP GUARDテクノロジー”、”SWITCHABLE DUAL INPUTS”など革新的な機能満載。オーディオインターフェースのクオリティに限界を感じている方は試す価値ありです!

ハイエンドオーディオインターフェースとして定評があるTitan/LyraシリーズのPrism Sound社からUSB D/Aコンバーター”Callia”が登場!フラットでバランスの良いサウンドのTitan/Lyraはレコーディング、ミックス向きと言えますが、”Callia”はより濃密かつ高解像度のサウンドで純粋に良いサウンドで気持ちよくトラックメイキングしたいという方には最適ではないでしょうか。
こちらはRock oNでも人気のLynx Hilo。とにかくクリアでトランスペアレントなサウンドは音楽の楽しさや芳醇さを感じられます。そして超高性能のA/D D/Aコンバーターに加え、モニタリングシステムとヘッドフォンアンプを一体化させた製品で、ルーティングも非常に柔軟で中規模クラスのスタジオでも中核を担うことができます。
ライン入出力/AES入出力/モニターアウト/ヘッドホンアウト/ワードクロックインアウトを持ち、複数のスピーカーを用いたミックス、外部アナログアウトボードを通すマスタリング、レコーディングまで対応します。