ドイツの産学連携機関Fraunhoferは圧縮コーデックMPEGの生みの親であり、デジタルメディアに関する基礎技術・規格の研究を担ってきた。実質的に、現代のデジタルメディアはFraunhoferなくしては成立し得なかったとまで言えるほど大きな存在だ。
IP Showcaseでのプレゼンテーションを取材した、次世代映像コーデックJPEG-XS。実際にリアルタイムでのエンコード/デコードを展示していた。最初、単にカメラの映像を映しているだけだと思ってしまっていたくらい低レイテンシーであった。
MPEG-Hによるインタラクティブ放送の事例。ユーザーは放送局の用意したプリセット(ダイアログのレベルが高いミックス、多言語放送など)から選択するだけでなく、オブジェクトトラックであるダイアログの位置を画像のようにみずからコントロールすることができる。
Pro Tools用のMPEG-HエンコーダーはAAXプラグインの形で提供されている。このプラグイン内で、プリセット作成や各プリセットのパラメーターの設定、フォールドダウン係数の設定などを行う。


Davinci Resolveは機能の一部としてMPEG-Hに対応する。まだ実装には至っていないが、Fairlightメニューから直接MPEG-Hを書き出せる機能、そしてトラックタイプに「MPEG-H」が追加されているのが確認できた。ほんの2週間前に組み込みが開始されたらしく、これらの機能がDavinci Resolveに完全に統合されるタイミングは2020年のNABをひとつの目標として考えているとのこと。
Fraunhofer
http://www.fraunhofer.jp/
Writer.Sawaguchi Jr.